冬はどうしても外出が億劫になってしまう季節ですね。
そんな寒い時期こそ、アートを部屋に飾り、家の中でゆっくりと“冬の空気”を感じてみてはいかがでしょうか。絵画なら、凛とした静けさや雪の光、澄んだ空気感など、この季節ならではの魅力を気軽に楽しむことができます。
本特集では、雪景色の絵や冬の風景画など、冬ならではの美しさが感じられる作品8点をご紹介します。
「凍月松林」 佐々木裕而
佐々木 裕而(ささき ゆうじ)が生まれた北海道の凍てつく空気を感じるような作品です。
澄みきった空気の中にある、月光に照らされた松林の木々の陰影を繊細に筆で表現しています。
音が消えた世界の緊張感を感じる一方で、どこか優雅で神秘的な印象も感じさせます。
「Sijima-06」 野地美樹子
野地 美樹子(のじ みきこ)が追求する抽象性と伝統的絵画の感性が美しく融合した一作です。
月明かりに照らされた冬の森林は、光の粒子がふわふわと漂うように静寂の中に幻想的な気配が広がります。
微細な筆跡と深い青の重なりは、日本的なアニミズムの美意識も感じさせ、モダンでありながら精神性の高い世界を描いています。
「蒼刻」 泉東臣
泉 東臣(いずみ はるおみ)が得意とする幻想的な青の世界の作品。
生命の源である海と森が接する、実際にはありえない心象風景を描いたものです。
深い蒼のグラデーションの中に、白く煌めく木々の枝が緻密に浮かび上がる情景は、新たな生命の誕生の前の静かな冬の夜を想起させます。
また反復するように並ぶ木々のシルエットはミニマリズム的な美しさを帯び、静寂と緊張感が共存する独特の空間を生み出しています。
「江口の君の図・大高源吾之図」 歌川春光
歌川春光(うたがわ はるみつ)による絹本に描かれた作品です。
降りしきる雪の中、川沿いを歩く女性の姿の作品と象にまたがる江口の君の作品で対となっており、幻想的な仏教説話の世界と雪の降り積もる現実世界を対照的に表現されています。
冬景色の絵では、大きな傘を抱えて進む女性の足取りや、風に揺れる着物の文様が繊細に描かれており、背景には笹を売る大高源吾が小さく配置されています。
「Rear garden, Ladoga」 Boris Mikhailovich LAVRENKO
Boris Mikhailovich LAVRENKO(ボリス・ミハイロヴィチ・ラヴレンコ)が得意としたロシア北方の生活風景を描いた作品。
ラドガ湖周辺に住まう人々の生活が、柔らかな筆致と落ち着いた色彩で描かれており、厳しい寒冷地の気候の中にある、確かな生活の息づかいを感じさせます。
また、木造家屋や人影の配置にはロシア画派特有の写実性が宿り、日常の一瞬を詩的に切り取る視点が光ります。
自然の厳しさと人間の温もりが同居する、ロシア絵画ならではの魅力を備えた作品です。
「Le porteur de bois」 Hughes Claude PISSARRO
印象派の巨匠カミーユ・ピサロの直系にあたるHughes Claude PISSARRO(ヒューズ・クロード・ピサロ)による作品。
タイトルは「薪を運ぶ人」という意味で、寒空の下での人の営みを温かく描いています。
柔らかな筆致と淡く鮮やかな色彩は、春の訪れを表しているのかもしれません。
「Spring」 Dmitri Vasilevich TITOV
ロシア画派の写実性と詩情が合わさったDmitri Vasilevich TITOV(ドミトリー・ヴァシリエヴィチ・チトフ)の作品です。
タイトルは「春」ですが、雪解けの湿った大地や裸木が残る情景には、冬から春へと向かう季節の移ろいが丁寧に描かれています。
淡い茶と灰色を基調とした色調は、北国特有の冷たさと柔らかな光を同時に感じさせます。
「Snow Mountain」 朴古石 박고석 PARK Kosuk
韓国近代絵画を代表する朴古石(パク・コソク)による山岳風景です。
豪快な筆致で雲を突き抜ける雪山が描かれています。
重厚な色の層と大胆な構図により、自然の峻厳さと生命力が表現されています。
まさに韓国の過酷な戦争時代を生き抜いた彼の力強さが作品に現れています。
その他の冬をテーマにした作品は下にございます。
ぜひ、お気に入りの冬の作品を飾り、日常の中で季節の移ろいを感じてみてください。
アートがもたらす小さな温もりが、寒い冬をやさしく彩ってくれるはずです。









