ウラジーミル・エゴロヴィッチ・マコフスキー（ Rus. 1846–1920）は、ロシアのリアリズムを代表する画家であり、移動派（ペレドヴィジニキ）の中心人物の一人です。庶民の生活や社会問題を細やかな観察眼で描き、ユーモアや風刺を交えた作品で知られます。モスクワ美術学校の教授や帝国アカデミーの会員としても活躍しました。兄のコンスタンティン・エゴロヴィッチ・マコフスキーもまた、ロシアを代表する画家です。

 《少女の肖像》（1893年）
19世紀ロシアの巨匠マコフスキーによる、静謐な眼差しをたたえた少女の半身像。淡い色調と柔らかな筆致で、慎ましくも芯のある存在感を描き出しています。社会風刺を得意とした画家が晩年に見せた、内面性へのまなざしが感じられる作品です。