コレクション: 増田 誠

増田誠(ますだ まこと、1920–1989)は、山梨県出身の洋画家です。戦後の日本とフランスを舞台に活動し、特にパリの街並みや人々の日常生活を描いた作品で知られています。若い頃から絵画に親しみ、1957年に渡仏。その後、約30年間にわたりパリを拠点として制作活動を続けました。

フランスでは、1960年にシェルブール国際展でグランプリ、1965年にはフランス芸術家協会主催のル・サロンで金賞を受賞するなど、高い評価を受けました。パリの街角やカフェ、レストラン、市場、そこで行き交う人々を主な題材とし、フランスの都市生活を独自の視点で描き続けました。

増田の作品は、太く力強い輪郭線と大胆に簡略化された形、鮮やかな色彩が特徴です。建物や人物を幾何学的に捉えた構成には、キュビスムを思わせる表現も見られます。一方で、街を歩く人々やカフェで過ごす人々の姿には、日常の何気ない瞬間を捉える温かみやユーモアが感じられます。

帰国後も制作を続け、1989年に逝去。作品は山梨県立美術館などに収蔵されており、2012年には同館で特別展が開催されました。また、故郷の山梨県都留市には増田誠美術館が設けられ、現在もその作品が紹介されています。