コレクション: Mario Avati

Mario Avati(マリオ・アヴァティ、1921–2009)は、モナコ生まれのフランスの画家・版画家です。ニースの国立装飾美術学校、パリの国立高等美術学校で学び、1947年頃からエッチングやアクアチントなど、さまざまな版画技法に取り組みました。

1957年頃からはメゾチント(マニエール・ノワール)の制作に力を注ぎ、この伝統的な銅版画技法を現代に復興させた代表的な作家の一人として知られています。メゾチントは、版面に細かな凹凸をつけ、黒から白への繊細な階調を生み出す技法です。アヴァティは当初モノクロームの作品を中心に制作し、1969年頃からはカラーメゾチントにも取り組みました。

果物や花、楽器、日用品などを描いた静物画を得意とし、深い黒を背景に、柔らかな光を受けて浮かび上がるモチーフが特徴です。緻密な明暗表現と端正な構図のなかに、ユーモアや詩的な感覚を織り交ぜた独自の世界を築きました。また、動物を題材とした作品や書籍の挿絵なども数多く手がけています。

1957年にパリの批評家賞、1969年にフィレンツェ国際版画展の金賞、1981年にパリ市芸術大賞を受賞するなど、国際的に高い評価を受けました。作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)やメトロポリタン美術館、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館など、世界各地の美術館に収蔵されています。

2013年には、版画芸術の発展に貢献した作家を顕彰する「マリオ・アヴァティ版画賞」がフランス芸術アカデミーによって創設されました。